疑問１＞ ふつう（ミディアム）は全部同じかたさなの？

いいえ、違います。

P.D.R.の歯ブラシのミディアムと、他社のミディアムは違うかたさです。
さらに、P.D.R.の歯ブラシであっても、「アルカ」シリーズのミディアムと、「ペルラ」シリーズのミディアムは違うかたさです。

疑問２＞毛のかたさって、統一規格はないの？

歯ブラシの毛のかたさは、JIS（日本産業規格）で定められています。

毛の長さを７mmにそろえた歯ブラシを固定し、計測器を押し当てた時の荷重を植毛面積（植毛穴の外側を直線で結んだ部分の面積）で割ったものがJISの「毛のかたさ」です。

しかし、実際に販売されている歯ブラシの毛の長さは７mmに揃っているわけではありません。（７mmはかなり短いです。）
また、植毛面積が小さいほど（つまりヘッドが小さいほど）かたいという数値が出ますが、実際はヘッドが小さいほど毛がかたくなるわけでもありません。
そのためJIS規格は、各社の歯ブラシを同一条件で比較できるというメリットはありつつ、実際に磨いた実感とは合わない場合も多いです。

疑問３＞各メーカーはどう表示しているの？

JIS規格に基づいて各社の歯ブラシを同一条件で測った毛のかたさを載せつつも、「実際の使用感」は各社が独自に表示しています。

JIS規格における毛のかたさの表示は義務ですが（個包装の裏面表示が多い）、それ以外の箇所の表示は、各社に任されています。
例えば『JISで毛丈を７mmにして計測すると「ハード（かため）」だけど、実際の毛丈は１２mmだから「ミディアム（ふつう）」が適切』という判断が許されているわけです。

疑問４＞結局「毛のかたさ」って何なの？

毛の太さ、植毛の穴の大きさ、穴の配列などの要素が絡み合って「毛のかたさ」の実感値になります。

開発者は「どんな歯ブラシを作るか」というテーマに沿って、要素を１つ１つ選んでいくのです。
例えば、P.D.R.のアルカは上顎最後臼歯遠心への到達性を最優先して、ペルラは到達性と刷掃力のバランスを狙って開発したので、アルカとぺルラの要素はそれぞれ違っているのです。

そんな訳で「毛のかたさ」を決める要素が多すぎるため、A社とB社のミディアム（ふつう）は同じとは限らないし、同じA社の中でも「歯ブラシCのミディアム（ふつう）」と「歯ブラシDのミディアム（ふつう）」は同じとさえ言えません。
そんな状況下で、各社が知恵を絞って、正確な磨き心地が伝わるように試行錯誤しています。