歯科用石こうの原料は、二水石こう（CaSO4・2H2O）です。鉱石として自然界に存在しており、安価に入手できます。しかし、P.D.R.の「デラロック」「セーフティシリーズ」「ピースシリーズ」の超硬石こう・硬石こうは、安定した品質を第一とするため、化学合成した原料を主原料として使用しています。

その中でも「デラロック」「セーフティシリーズ」はノリタケ社で扱っている原料の中でも工業用を含めて最高品質のもので、海外でも高く評価されています。

※「普通石こう」と「マイルドシリーズ」は、天然材料を主原料としています。

一般的に、化学合成された原料も、天然の原料も、高温高圧下で脱水して半水石こう（CaSO4・1/2H2O）にします。この工程のことを「石こうを焼く」と表現するため、半水石こうは焼石こう（やきせっこう・しょうせっこう）とも呼ばれています。

さて、ここからは製法の話です。焼いたままの状態では粒が大きすぎて、練和しにくく硬化も不安定なので、歯科用石こうにするためには、機械的な粉砕加工が必要です。強度、手練和感、チキソトロピー性（普段は粘度の高い状態で、力を加えたときだけ流動しやすくなる性質）は、様々な大きさの粒子が絡み合うことで生まれるので、粉砕は重要な過程です。製法そのものは企業秘密なのですが、ノリタケ社が最適な粒度分布になるよう細心の注意を払って加工しています。