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こんにちは。カタログ担当カトケンです。(※スタッフの名前は、ニックネームで記載しています。) 磁性アタッチメント『マグフィット』で知られる愛知製鋼株式会社の工場見学に行ってきました。今回は工場見学を通じてメーカーの方から伺ったマグフィットの特長や品質のこだわり、製鋼工程についてご紹介します!
マグフィットの工場は、P.D.R.と同じ愛知県にあります。 愛知製鋼は、1940年に豊田自動織機製作所の製鋼部から分離独立した特殊鋼メーカーで、トヨタグループ17社の中では豊田自動織機、トヨタ自動車に次いで3番目に古い、愛知が誇る老舗企業です。 自動車に必要な厳しい品質基準の特殊鋼づくりで培った技術を活かして、特殊鋼条鋼、鍛造品、ステンレス鋼、電磁品(マグフィットも電磁品にあたります)など様々な事業を拡大しています。
マグフィットの材料となる、鋼材の製鋼工程を見せてもらいました。写真はお見せできませんので、イラストでご紹介します。 1)溶解 鉄を電気炉で溶かします 2)成分調整 他の金属を混ぜて、作りたい特性を持たせます 3)固める 溶けた鋼材を型に流して固めます
鋼材の豆知識 鉄+他金属で多種多様な鋼材が生まれます。精錬工程では、作りたい鋼材の特性になるよう様々な金属を混ぜ合わせます。例えば、 ・硬くしたいなら:C(炭素)・Fe-Cr(鉄-クロム)など ・粘り強くしたいなら:Fe-Ni(鉄-ニッケル)・Al(アルミニウム)など ・削りやすくしたいなら:Fe-S(鉄-硫黄)など 素材の特性を理解し、その組み合わせで理想の金属を作る、自動車産業で培った技術力の高さを見学しながら感じました。
4)圧延 2本のローラーの間に金属を通して、圧力で伸ばします 5)鋼材完成 6)パーツを製造 鋼材をカット・加工して、マグフィットのパーツ(ヨーク・ディスク・キーパー)を製造します
自動車の鍛鋼技術で培ったノウハウから生まれた、磁場を閉じ込める特殊ステンレス鋼 磁石の吸引力を高めるためには、磁石を覆う周囲のステンレス鋼の特性と配置が重要です。この部分を自社設計し、それに沿った質の良い鋼のみを自社製造するからこそ、安定した磁性アタッチメントを生産できます。
あ!危ない!?安心してください。実物大の炉のフォトスポットの前で、記念撮影した写真です。
ちなみに自動車用の鋼材は一度に150トンの鉄スクラップを溶かして作ります。マグフィットの場合は成分の割合が厳密なので、自動車の鋼材と異なり小規模の炉で純素材を使用して溶解・精錬を行い、その中で成分が安定している良いところだけを使うそうです。マグロで言うなら大トロです。(カトケン個人の見解です) 幅広い鋼材を自社で製造している愛知製鋼だからできる素材です。大トロ以外の残った鋼材は再溶解もしくは鉄スクラップとして別の鋼の材料になります。
磁石構造体は「ディスク」「磁石」「ヨーク」の3つの部品で作られています。 1)組立 ヨークに磁石をはめ、ディスクでフタをします 2)レーザー溶接・研磨 3)着磁 強い磁場を加えて、磁石構造体内の磁場を整えます
検品・梱包をして、ようやく完成です!
磁場をキーパー側に効率よく回す、材質の組み合わせ マイクロスコープで溶接部分を拡大してみると、色が違うリング状の部分があることがわかります。この部分はヨークやディスクに使われているステンレス鋼と違い、ニッケル(Ni)が含まれています。ニッケルの含有率が高いと磁場を通さない性質があるため、その特性を活かすことで、磁場がキーパー側に通るように設計されています。
見学を終えて 必要な吸引力を発揮させ、それを保つためには、磁石を覆う素材の良し悪しが重要であることがよくわかりました。 展示室には、数十種類の鋼材がキレイに並べられており、素材への愛情を感じました。 また、愛知製鋼のマグフィットは、小さな磁石構造体の中にクルマづくりで培ったノウハウがギュッと凝縮されており、素材への飽くなき探究心を感じました。 今回お話を伺ったメーカーの方は「磁性アタッチメントを用いたデンチャーは、脱着が容易でメンテナンスもし易いです。自分がデンチャーを必要となった時に使いたいと思っている本当に良い商品。だからこそより多くの人に使っていただきたいんです!」と熱く語ってくださいました。 一方で「デンチャーへの合着が難しく感じられていたり、症例として経験されたことがない先生もいらっしゃるので、もっと扱いやすくすることが我々の課題です」と仰っていました。 現在世界各国で計250万個が使用されているマグフィット。健口な暮らしを支える一つの選択肢として、マグフィットがこれからも活躍してほしいと思いました。 (カタログ担当/カトケン)
マグフィットシリーズの選び方・製品情報は愛知製鋼ホームページで詳しく紹介されています。 愛知製鋼マグフィット製品情報(外部リンク)はこちら
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