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こちらがグローブの手型です。陶器でできていて、写真ではわかりにくですが、エンボス加工のグローブの手型は表面に凹凸がついています。
グローブ工場では、1つの製造ラインに手型を約2万本取り付けます。巨大な設備で大量生産することで価格を抑えています。製造工程は大まかに3ステップです。 ①液体原料のプールに手型を浸して取り出す(原料が手型についた状態になる) ②巨大オーブンで加熱し固める(原料が手型の形に固まる) ③手型から剥がす(固まった原料が裏返った状態になる) こうして完成したグローブは抜き取り検査され、合格したものが皆様のお手元に届きます。
1.マスターモールドという型を使って、グローブの手型をつくるための石こう型をつくります 普段から石こうで型をとられる、歯科医院様、歯科技工所様にはイメージしやすいのではないでしょうか? (1)マスターモールドを作ります。 (2)囲いを付けたマスターモールドの上から、石こうを流し込みます。 (3)固まると、凹んだ手型のある石こう型ができます。 (4)AとB2つを合わせ、手型の石こう型が完成です。
2.手型の石こう型に陶材を流し込みます (5)製造ラインに置かれた手型の石こう型に、液状の陶材を流し込みます。 (6)液状の陶材の外側が固まってきたら、ひっくり返して内側の固まっていない陶材を流し出します。 (7)しばらくおいて、石こう型の内側に残った陶材をしっかり乾かして固めます。
3.焼成前の処理をします (8)乾きかけの粘土くらいの固さになったら、石こう型から外します。 (9)ピーラーとスポンジでバリを手作業で取ります。その後、せっけん水で洗ってツルツルにします。 (10)セラミックボールを当ててエンボスの凹凸をつけます。まるでサンドブラスト処理のようです。
4.焼成して完成です (11)大きな釜で焼成します 以前は、グローブを剥がしやすいように最後に釉薬を塗って、もっとつるつるに仕上げていたそうです。しかし、つるつるの手型では粘性のあるドロドロしたラテックスグローブの原料液は付くのですが、粘性のないサラサラしたニトリルグローブの原料液はうまく付きません。今ではニトリルグローブの需要が増え、生産効率を考えて、どの工場もニトリルとラテックス共通で使えるように釉薬無しの手型を使っているそうです。
訪問を終えて
思っていた以上に、手作業工程が多かったです。 グローブの手型は、基本的にそこまで特徴がないものだと思っていましたが、1本1本職人さんが手で仕上げているところを見ると、それぞれのメーカーの特注品なのだなあと実感しました。2万本以上の手型をすべて同じ寸法に仕上げないといけないので、非常に難しい技術だと思いました。 良い手型工場と取引があることは、グローブメーカーにとって安定した大きさの製品を作る上で大事なポイントだということがよくわかりました。 また、グローブ製造工場では、手型を使った後はキレイに洗浄して保管されており、大切に扱われています。グローブを作るための設備にもこんな背景があるとは…。 行ってみないとわからない、見えないものってたくさんあることを実感した出張でした。 (品質管理担当/チャンヤマ) ※スタッフの名前は、ニックネームで記載しています。
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